令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ試験 問1

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アラフィフオヤジ
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令和5年度 秋期 データベーススペシャリスト試験 午前Ⅱ試験 問1を解いてみましょう。

テクノロジ系 >> データベース >> データベース応用

問題

CAP定理に関する記述として、適切なものはどれか。

ア システムの可用性は基本的に高く、サービスは利用可能であるが、整合性については厳密ではない。しかし、最終的には整合性が取れた状態となる。

イ トランザクション処理は、データの整合性を保証するので、実行結果が矛盾した状態になることはない。

ウ 複数のトランザクションを並列に処理したときの実行結果と、直列で逐次処理したときの実行結果は一致する。

エ 分散システムにおいて、整合性、可用性、分断耐性の三つを同時に満たすことはできない。

解説

アラフィフオヤジ
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正解は「」です。
CAP定理は、分散システムが同時にこれら三つの特性を満たすことは不可能であると述べています。つまり、分散システムは、整合性、可用性、分断耐性のうち任意の二つを満たすことができますが、三つ全てを満たすことはできません。この理論は、分散システムの設計と理解において重要な役割を果たしています。
アは、BASE特性の説明です。

BASE特性とは、分散システムにおいて、整合性、可用性、分断耐性の三つのうち、可用性と分断耐性を重視したシステムの特徴を表す特性です。BASE特性は、以下の3つの特性の頭文字を組み合わせて表されます。

  • Basically Available(基本的には可用性が高い)
  • Always Consistent(常に整合性があるわけではない)
  • **Eventual Consistency(最終的には整合性がある)

BASE特性のシステムでは、ネットワーク分断が発生した場合でも、サービスは利用可能である必要があります。そのため、整合性を保つための処理を保留し、ネットワーク分断が解消された後に、まとめて整合性を保つ処理を実行します。そのため、ネットワーク分断の発生中は、整合性については厳密ではない状態となります。しかし、最終的には、整合性が取れた状態となります。
イは、トランザクションの一貫性(Consistency)の説明です。

ウは、トランザクションの独立性(Isolation)の説明です。